2023年4月22日土曜日

軽SUVやSUV風軽が持て囃される傾向にあるが、目的を見失わないように。

 「軽スーパーハイトワゴン」が次々SUV化! 三菱新型「デリカミニ」早くもヒット!? アウトドアなスライドドア軽がウケる訳

何というか、べた褒め記事ってメーカーから金を貰っているのか、それとも流行りに乗っかって検索やアクセス数を稼ごうとしているのか分からないけど、真意を見失うと誤った買い物をしてしまうという事だけは覚えておいて欲しい。

はいはい、デリカミニべた褒め記事はお腹いっぱいです。

コロナ禍で流行ったアウトドアに肖ってアウトドアに強いSUVが流行っているようです。問題は、SUVの性能を持った車と、見た目だけの車があることです。

走破性の順位について自分はこう考えています。

ジムニー>軽トラック>ハスラー&タフト>デリカミニ>スペーシアギア&スペーシアベース

最低地上高、腹下のクリアランスが十分か、非整地の起伏の走行で擦る部分は少ないか。バンパーの高さは?、タイヤの口径は?。小回りの性能は?。運転席からの視界の広さは?。

軽SUVを万能ツールのように考えているのであれば、車選びは向き不向きを調べてからのほうが遅くないです。見た目で車を選んでいるのであればどうぞお好きにというところです。カッコいいですよね、デリカミニ。見た目だけはすごく良いです。だけど軽SUVすげーぜ!と思ってアレもコレもみんなできるという訳ではありません。

ハイト系ワゴンでは車中泊するなら前席を倒してフルフラットにするためのマットの用意を含め、車に積んだ荷物の車外放出とか就寝に一苦労するでしょう。雨が降っていれば荷物の車外放出はできませんよね。スーパーハイト系が大人気ですが、後部の居住性で最も優位になるのは軽バンです。エブリィやハイゼットカーゴ。それらのOEMですね。現在はこの2車種しかありません。スバルもホンダも軽バンを製造することをやめました。

でも、ホンダはN-VANがあるじゃないか!とか言う人。あれは軽バンじゃなくて、軽ボンネットバンであり、スペックはほぼN-BOX(軽乗用車)の座席をチープ化した軽貨物モデルです。ほぼ一人乗りの車と考えれば最強でしょう。非常に珍しい独自の路線を行く軽商用バンです。なんだかクロネコヤマトであれのBEVを配送に使う実験をするのだとか。自分としては軽ウォークスルーバンにでもするの?とか想像しているけど、ちょっと使い勝手が悪いですよね、アレ。

とりあえず、スーパーハイト系ワゴンにて、車中泊ではなくラゲッジにテントやタープやBBQコンロやあれもこれもと積んで、4人乗って、山でテント張って焚き火だ!アウトドアだー!ってのは良いでしょう。

ただ、軽ですよ。4人乗ったら荷物はあまり積めません。ラゲッジ(後部スペース)いっぱい天井まで積んだら後ろが見えない。バックカメラのデジタルインナーミラーがあるから大丈夫!とか思ってると泥跳ねでレンズが汚れて見えないこともあるようです。うちの整備管理者が言ってます。

林道ではすれ違い困難な場所も普通。対向車が来たからちょっとバックして・・脱輪。山で携帯も圏外。救助も呼べない。はてさて、どうしたものか・・・なんてことも十分に有り得る。素人が軽SUVを過信すると自爆します。


SUVにしろSUV風にしろ4WDは10万円ほど高くなるけどあったほうが断然強いですね。有ると無しとでは全く違います。ダートでも雪道でも。

それが最低条件として、次は最低地上高、積載性、車中泊するなら寝床の確保の簡便性、荷物を積むならラゲッジの広さ。1人の場合、1~2人の場合、3~4人の場合、4人の場合など、後部座席がセパレートか、ベンチシートかでもスペースの有効活用に影響が出ます。

軽貨物だと、後席は上級グレードがセパレート(左右個別に床収納)。中級以下は簡易的なベンチシート(1枚モノ。椅子があるか収納状態かしか選べない)ですよ。

あと、見落としがちなのはアンダーパスですかね。ハスラーやタフトでは余裕でも、スーパーハイト系やハイルーフが普通の軽バンでは屋根を擦りかねない場所もあります。山では路肩からはみ出した枝。上から垂れ下がった枝もあって、通るときにキ~~~~~って嫌~な音が。多少の荒い使い方を想定してて、使い潰しても良いか、それとも数年で高く売り飛ばしたいから傷や凹みは勘弁って判断基準も。

浅虫ダムとのアクセスには3本の道路があります。北西側の道路は屋根がギリギリですね。本当に怖いですよ。ゆっくり通行しないとバウンドしようものならガリガリってやってしまいます。最徐行で通行しましょう。


デリカミニは軽乗用車ベースを軽SUVに最適化した車です。走破性はクロカンばっちこいのジムニーや過酷な使用を想定した軽トラ以下ですし、ハスラーやタフトのような独自の形状をもつ車ではなく、デリカミニは所詮、既存のekスペースという軽乗用車ベースの車です。4WDモデルのみタイヤの大口径化とサスペンションの変更で16cmほどの最低地上高を確保しているようですが、16cmならハイゼットカーゴと一緒。エブリィより1cm高いだけですよ。あれがSUVなら軽トラもSUVですよ。ハイゼットとエブリィも十分にSUVらしい性能を持っています。

林道で過信し無茶すればバンパー割ります。今の車は壊れて衝撃を吸収するので、見た目ほど堅牢性は無く、社外品ではバンパーの地上高が高い良いものが付けられますが、純正バンパーはペラッペラです。簡単にバリンと割れます。雪道でも割ってる車も結構居ますよ。そういう道路を走りたいならもっと安いジムニーを選ぶか軽トラを買いましょう。


軽バンで普通に舗装もされていない山道なども走りますが、デリカミニが走れるなら軽バンでも行けます。多少のスペック差は経験と技術でカバーできます。乗るなら過信は禁物。諦めて戻るも、対処してから通るか、傷や凹みを覚悟の上か。自分は2度ほど山でオイルパンを割って廃車にしてますので軽バンでもできること、できないこと、テク次第でどうとでもできることは熟知しています。あとは運転の経験年数と悪路走行に慣れているかですね。舗装された一般道と違って山では緩急つけたり一時停止、衝突防止のためのクラクションなど状況に応じた走行を求められます。


車って選び方次第ではとても優れたツールになりますが、目的に順位をつけ、一番やりたいこと、それに必要な要件(仕様)を満たしているか。状況ごとに一番楽な使い方ができるかを検討してからでも遅くはないですよ。何を選ぶにしても買ってはみたものの・・・と後悔するのは自分ですから。


流行りや新しいものに安易に飛びつくか、それとも自分の趣味を遂行できる最適解を導き出すかは個人の考え方次第です。街乗りではどんな車でも目的は達成できます。でも、最悪の事態を想定した買い物をすれば後悔は少なくて済みます。どうせ3~4年で売るからという人は良いでしょう。

乗り潰すつもりでしたら、素直にハイゼットカーゴかエブリィを買いなさい。軽バンであれば、あまりにもできることが一気に増えるので、もう、ハイト系ワゴンには戻れなくなるし、軽乗用車に乗ることが馬鹿みたいに思うでしょう。

乗り心地は確かに悪いですよ。バネ(サスペンション)が板バネなので跳ねるし揺れるし風で煽られるし、重いし燃費悪いし、足元は狭い。

それでも、軽バンに代わる車は無いんですよね。あの快適に就寝可能な後部スペースの広さと、非整地でそれなりに走行できる商用軽バンの足回りの性能は、さすが仕事の車というだけあってグイグイ走ります。当然、雪道でも安心。視界の広さゆえの安全確認の容易さもあります。視点が高いので先も見通ししやすいですね。小型乗用車や普通車のセダンよりかなり高いです。先の先が見通せるというのは運転のし易さに影響します。

そして災害時にもっとも重宝するのは軽バン。移動式の別荘だと思えばマイカーの中に居ながら日常から離れられますよ。カーテン付けたり、収納つけたり、寝床を用意して、狭いながらも窮屈しない空間を演出できます。無論、後部は両側がスライドドアで、開放してスダレでもつければ換気もバッチリ。ハッチバックを開放して屋根代わりに周囲を囲えばもうひとつのプライベート空間ができあがり。

軽バンにはそういった最低限のキャンピングカーとしてのポテンシャルが最初からあります。これが軽バンの凄さであり、移動式別荘としても優秀な理由ですかね。

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