2013年10月15日火曜日

肥後守(ひごのかみ)

 Wikipediaでは肥後守をこのように紹介している。※当該ページ下の写真は私が撮影したもの。

 簡単に主観を交えて紹介すれば、肥後守とは永尾駒製作所(カネ駒)の商標であり、伝統的な工芸品のひとつで、柄(ハンドル)と刃をかしめ(リベット)で留め、刃の固定は刃根(チキリ)によって行なう構造が非情にシンプルな日本のナイフ(和式ナイフ)である。

 永尾駒製作所(カネ駒)以外の鍛冶屋さんが製作したものは、商標の関係から「肥後守型ナイフ」または、簡単に「肥後ナイフ」と呼び、構造自体は殆ど一緒で、ハンドル、刃、チキリ、かしめのおよび材質およびそれらの材質にバリエーションがある。

 大きさは「豆」「中」「大」「大大」「特大」「ジャンボ」などに分類され、刃の材質は「ステンレス」「全鋼」「青紙」「白紙」などがある。ハンドルはクロームメッキ/黒/真鍮が主流。刃やハンドルに槌目の付いたものや、ダマスカスなどの製品もある。

 値段は全鋼などの安いものでは360円から800円前後。真鍮製のハンドルに青紙(特殊鋼)を割り込んだものは700円から2100円程度。特別鍛造品ともなるとハンドルが厚く刻印が異なったり、刃が何層にも折り返された特別鍛造品などの高級品もあり、5000円から16000円前後のものもある。

 肥後守はナイフであり、用途は使用者の自由。 手工芸や工作などに使用するも良し。鉛筆を削っても良し。ただ、基本的にそのままでもある程度の切れ味はあるが、研いで使うタイプの刃物なので、ステンレスの包丁のように肉や魚や果物や野菜を切って少し放置しただけで簡単に錆びる。
 買って直ぐのとき、販売者によってはグリスのようなものが塗られているのでよく拭き取らないと切ったものに油が付着するので注意。よく拭いて、専用の刃物油などで手入れを行なう。

 品質の均一さについては、1本ずつの手作りであるため以下の工程で個体差が出る。

  ①プレスなどの型で刃を打ち抜くとき。 
  ②チキリを整形するとき。 
  ③鍛造、焼入れするとき。 
  ④グラインダー?で刃を整形するとき。

 このため、全く同じ商品を注文しても、刃やチキリが同じ形状ではないことが多く、場合によってはかしめが緩いこともある。チキリの曲がる部分が微妙に短かったり長かったりして真っ直ぐに伸ばしたときでさえ刃とハンドルが一直線にならない商品もある。 安いもの(普及品)であれば3本買ってようやく1本が気に入るレベルと思えば良い。※私は特大・大大・大・中・豆を合わせて18本持っている。

 研ぎについは100円ショップの砥石(300番)はお奨めしない。あの砥石はちゃんとした砥石の面均し(砥石は刃物を研ぐ度に面が波打って磨耗するため、定期的に砥石の面を平坦に均す(ならす)こと)に最適で、あの砥石でまともに研げるのは草刈の安い鎌(カマ)くらいのものである。あれで包丁を研いだら刃がボロボロになるので絶対にお勧めしない。
 肥後守の研ぎに適しているのは800~1200番の中砥石と、3000番の仕上げ砥石の2つ。もっと光沢を出したいときは5000~6000番の超仕上げ砥石を使う。片面の砥石でも両面の砥石でも構わないが、研いでいるときに砥石が動かないように、適当な水を入れられるトレイに砥石を固定できるような状態が望ましい。

 肥後守の刃は出荷時には平面に見えるが、砥石で削っていくと研げない部分が残って、見た目に波打っていることが分かる荒削り状態となっている。
 これを本気で研ごうと思えば大変な労力が必要で、最も刃の材質が柔らかい全鋼でさえ、3回分に相当する研ぎを一気に行なおうとすれば800番の砥石を使用しても3~5時間は掛かる。その後、3000番で仕上げを掛けるために30分。刃を少し立てて刃付けをするために5分程度必要。
 水を切って、乾いた布で丹念に拭いてからドライヤーなどで、かしめ部分に入り込んだ水分を乾かし、刃物油でかしめを潤してから刃とハンドルを綺麗に磨き上げる作業に10~20分程度必要。(乾燥についてはきっちり降って水切りした後に乾いた布で丁寧に水気を拭いてオイルヒーターの上に30分放置しても良い)

 実際のところ、普及品の肥後守は完成品ではなく、半完成品状態で出荷されているとも言える。 理由としては個人が完全に刃付けをするため、これだけの手間と時間が必要だからだ。刃物の側面が均一に平らであるならばこれらの時間は三分の一ほどで済むのですけど。

 肥後守も属性は刃物で種類はナイフであるけれど、単なる道具でしかありません。これだけの手間暇をかけてもしっかり自分好みに仕上げる根性があれば肥後守に愛着が持てるのだろうということ。 目的を達成するために道具をベストな状態に手入れしたり、道具そのものを自分好みにカスタマイズすることが好きなクリエイター属性の人には肥後守はお奨め。 目的をもっとも効率的に達成したい人には穴に突っ込んで回すだけの鉛筆削りをどうぞということ。


<最後に>

 今の時代は「銃刀法」が煩いので、正当な理由無く刃物を所持することが禁止されているため、肥後守をむやみやたらと所持できない。でも、ナイフの使い方をしっかり理解して、安全に使いこなせるということは色んな面で有利であるとも言える。 と、同時に「ナイフを持っていて用途がはっきりしない人やナイフを使いこなせない人って何のためにナイフを持っているの?」と疑われる要因ともなる。それなら職務質問されたときに「鉛筆はナイフで削る派です!」と目の前で実演して見せれば警察官も納得?なのではないかと。


 生まれてから鉛筆は鉛筆削りで削るものという若い人や別に肥後守なんて興味が無いだろうから触れもしないだろうけど、わざわざ鉛筆を削るために肥 後守を使用することを非難する「鉛筆削りを使えばいいだろ?馬鹿なの?死ぬの?」という自己中心的な人が居る。 あの論法は乱暴過ぎるというよりも、個人の自由でしょ?(失笑)、人に強要するようなことじゃないし・・・というレベルで、単にナイフで鉛筆を綺麗に削れないからじゃないの?(苦笑)。何をそんなにムキになっているのだろう。

 少なくとも私は果物ナイフでリンゴを皮を切らずに剥けます。包丁も料理人ほどではないにしても普通の人より使いこなせます。鉈で薪を割れます。彫刻等で版画を掘れます。使おうと思えば道具は道具として僅かに練習すれば大抵のものは扱えるようになれます。小学校1~2年で既に包丁を使って今は亡き父親とリンゴの皮むき競争をしたものです。もちろん、小学校の家庭科はオール5です。裁縫や手芸も姉と一緒にやってましたのでミシンも針で縫うのも余裕です。電子工作も小学校3年から齧っています。

 それというのも多分、小さいころからきちんと刃物を扱えたことが手先が器用になった。刃物から裁縫、工具、農具に至るまでアナログなもので家にあったものは興味を持ってどんどん使ったことが良かったんだと思う。同時に「危ないから触らない!」なんて言う親ではなかったことが幸いしているのかも。

 小学生に肥後守を・・・というのは都会の学校じゃ逆に危ないかもね。何でもある環境に育った子供よりも、ある物を工夫して遊んでいる子供の方が逆にしっかりしていると思うよ。
 まあ、それ自体も個人差があるわけですし、刃物を最初から危ないものであると親が使い方を指導さえすればなんら危ないものではないですし。問題は、その親が刃物を危ないからと触らせてもらえなかったことによって、子供が高校生くらいになったとき、かえって苦労するのではないかと。それを考えたら子供の頃から果物の皮剥きや料理、鉛筆をナイフで削るという経験は大人になってから必ず役に立つのではないかと個人的には思うのですよ。





2013年7月9日火曜日

馬鹿+刃物

 代表的なものが「馬鹿と鋏は使いよう」(バカとハサミはつかいよう)だが、「と」を置き換えると面白そうだと思った。 「どちらも使い方次第」という例えで使われる言葉だが、一文字変えるとどんな感じに変わるのか、検証してみよう!
  「馬鹿と刃物」単純にANDであるが、日本語的には両者をくっつけてはいけない雰囲気が漂う。 「馬鹿に刃物」持たせちゃいけないような気がする。いや、馬鹿に刃物を○○するという文もあるな。
 「馬鹿な刃物」馬鹿っぽい刃物ということだろうか。刃物に知性は無いので、擬人化したら馬鹿っぽく見せられるかも知れない。
  「馬鹿や刃物」両者が等(など)になるから、同列とみなされる文脈になる。
  「馬鹿は刃物」馬鹿は刃物を持ちたがるという意味になりそうだ。いや、馬鹿は刃物のように危険という意味か?
 「馬鹿で刃物」馬鹿が刃物の原料っぽく読めるぞ!
 「馬鹿か刃物」これはORか。どちらかを選ばねばならないようになったぞ!、オラは馬鹿よりも刃物を選ぶな。
 「馬鹿へ刃物」馬鹿に刃物を譲渡しそうな雰囲気になった。いやいや、渡しちゃダメだ。
 「馬鹿ね刃物」刃物に「馬鹿ね・・・」と言ってるのか!
 「馬鹿の刃物」馬鹿が持ってる刃物か・・・どんなんだろう。
 「馬鹿よ刃物」これも刃物に「馬鹿よ!」とか言ってるようだ。
  「馬鹿を刃物」馬鹿を刃物でなんとかするに違いない!。

 とりあえず、二つのモノを繋ぐための文字は「と」「に」「な」「や」「は」「で」「か」「へ」「の」「を」が一般的だということが分かった。いや、馬鹿は特定の誰かではなく形容詞か。 日本語は難しい。

軽SUVやSUV風軽が持て囃される傾向にあるが、目的を見失わないように。

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